伝音難聴

伝音難聴とは?

伝音難聴は耳のどの部分に関係しますか?

伝音難聴は、外耳や中耳に何らかの損傷や閉塞があることによって起こります。

この耳の領域が損傷すると、外部環境からの空気の振動を、効率的に内耳へ伝達することが妨げられます。「伝音損失」という用語は、音を内耳に効果的に伝達する耳の能力が低下する場合によく用いられます。

The visible part of the external ear collects sound and directs it into the external auditory canal to the eardrumIn the middle ear, the eardrum is connected to the ossicles which amplify and transmit the vibrations to the inner ear

聴覚の仕組みについては、難聴に関する記事をご覧ください

伝音難聴と感音難聴の違いは?

伝音難聴は、感音難聴とは異なり、治療可能な場合があります。伝音難聴の場合、内耳と聴神経は正常に機能しています。

伝音難聴では音の大きさのが問題となり、明瞭さには影響はありません。したがって、音量を十分に上げることで、通常どおりに聞こえる場合が多いのが特長です。

伝音難聴の程度

伝音難聴の程度とは、その重症度を示すものです。伝音難聴では、最大60 dBHLの伝音損失、つまり音量低下が生じます。

重症度は、感音難聴の場合のように5つのカテゴリーではなく、次の3つのカテゴリーに分類されます:

  • 軽度難聴:26〜40 dB HL
  • 中等度難聴:41〜55 dB HL
  • 中高度難聴:56 ~ 70 dB HL

聴力レベル(dB HL)の数値が高いほど難聴の程度が高くなり、聴力への影響が大きくなります。伝音難聴は、片方の耳(片側)または両方の耳(両側)に起こる可能性があります。

難聴の程度は日常生活にどう影響しますか?

  • 軽度難聴 : 日常生活には多くの小さな音が含まれており、軽度難聴になると聞き逃すことがあります。日常の小さい音には、人の呼吸音や、木の葉がカサカサと鳴る音、人のささやき、冷蔵庫のブ―ンという音、猫がゴロゴロと鳴く音、水が滴る音などがあります。軽度難聴になると、静かな環境においては円滑にコミュニケーションをとれますが、背景に雑音がある騒がしい環境では、特定の子音(「s」 、 「f」 、または 「th」)で始まる単語が聞き取りにくいことがあります。
  • 中等度難聴 : 中等度難聴になると、日常生活の多くの場面で、会話の聞き取りや理解がより困難になります。会話を続けるにはさらに努力が必要で、静かな場所でも多くの言葉を聞き取れなかったり、聞き間違えることがあります。背景に雑音があると、通常の会話にもついていけないこともあります。その他、聞き逃す可能性がある音には、笑い声、雨の降る音、コーヒーを淹れる音などがあります。
  • 中高度難聴 : 中等度から高度の難聴になると、より多くの場面で会話が理解しにくくなり、騒がしい環境での会話の理解はさらに困難になります。テレビやラジオは通常の音量では理解できず、理解するにはより大きな音量にする必要があります。その他、日常的な音のなかで聞き逃しやすい音には、水が流れる音、目覚まし時計、子どもの遊び声、人通りが多い通りの騒めき、電動歯ブラシや洗濯機の音などがあります。

伝音難聴の主な原因は?

伝音難聴の原因には、外耳と中耳の2つの領域での問題が考えられます。

伝音難聴の原因が外耳にある場合

伝音難聴を起こす外耳の原因には次のものがあります:

  • 閉塞。外耳道は中耳に通じる小さなトンネルです。外耳道を塞ぐものはすべて伝音難聴を引き起こす可能性があります。閉塞には、耳垢の詰まりや、外耳道に押し込まれた異物による閉塞などがあります。
  • 加齢性難聴。この難聴は、加齢とともに徐々に起こります。聞こえの変化が徐々に起こるため、難聴を認識するのに時間がかかる場合があります。
  • 騒音性難聴。音を大音量で聞いたり演奏したりすると、耳を傷める可能性があります。音量の大きさと音を聴く時間の長さ次第で、聴力に一時的または永続的な損傷を与える可能性があります。騒音性難聴の原因には、ライブコンサート、大音響でのヘッドホン使用、狩猟、電動工具または電動機器、バイク・スノーモービル、騒がしい場所(建設工事、カフェ/レストラン)での作業などが挙げられます。

伝音難聴の原因が中耳にある場合

伝音性難聴を起こす中耳の原因には次のものがあります:

  • 鼓膜の損傷。鼓膜の動きが妨げられると、難聴が起こる場合があります。原因はさまざまですが、鼓膜に穴が開いたり、耳の感染症、鼓膜の肥厚、中耳の気圧外傷(中耳の気圧が過度に低く、または高くなる)などが含まれます。
  • 耳の感染症、液体蓄積。鼓膜の奥に液体が溜まると、鼓膜の動きが妨げられるだけでなく、中耳の骨の動きも減少します。いずれの問題も、中耳の伝音損失を引き起こします。
  • 耳小骨離断。中耳には3つの骨があります。これらの骨のいずれか損傷し、互いの繋がりが切断されると、難聴が起こる場合があります。
  • 疾患や障害。良性腫瘍、耳硬化症、真珠腫など、中耳疾患の中には難聴を引き起こすものもあります。
  • 耳管機能障害。耳管は中耳と喉の後ろをつないでいます。耳管は中耳の適切な圧力を維持したり、必要に応じて液体を排出するために開閉します。耳が気圧差でツンとなると、耳管の開口部が中耳の圧力を解放します。耳管が塞がれていると、中耳に圧力と液体が蓄積する可能性があります。

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伝音難聴の症状は?

伝音難聴がある場合は、次のような症状が1つ以上でる可能性があります。

  • 痛み。片耳または両耳の痛みは、耳に何らかの問題があることを示します。状況によっては、難聴を引き起こす可能性があります。
  • 耳の閉塞感。耳が詰まっていると感じたり、耳の圧力が大きすぎて抜けない場合、中耳に問題がある可能性があります。
  • 音のこもり。音がこもって聞こえる場合や、周囲の人の声や物音が聞こえにくい場合、難聴の可能性があります。
  • 耳だれ。耳から耳だれが出る場合、特に悪臭や色(黄色、緑色、膿)がある場合は、耳鼻咽喉科を受診する必要があります。
  • 耳鳴り。耳鳴(じめい)としても知られています。
  • 自分の声が大きく聞こえる。耳が塞がっている場合、声がより大きく聞こえて、正しく聞こえない場合があります。
  • 片方の耳だけより良く聞こえる。

これらの症状のいずれかが見られる場合は、耳鼻咽喉科を受診し、聴覚検査を受ける必要があります。定期的にオンライン聞こえのチェックで聴力を確認して、医師へ相談するタイミングを計ることをお勧めします

伝音難聴は治療できますか?それとも永続的に続きますか?

伝音難聴は永続的な可能性もありますが、多くの場合、聴力が正常に戻るか、伝音難聴が発生する前のレベルまで戻るように治療することができます。治療方法は、難聴の原因と程度によって異なります。

伝音難聴にはどのような治療法がありますか?

ここでは、伝音性難聴の治療法をいくつかご紹介します。

  • 異物除去。担当医は、耳に溜まった耳垢や外耳道内の異物などを除去します。
  • 投薬。抗生物質やその他の薬が、さまざまな種類の耳の感染症の治療に使用されます。
  • 外科的処置。異常、腫瘍、または特定の疾患は、損傷を修復するために外科的治療を施す場合があります。例えば、鼓膜にパッチを挿入して穴を覆ったり、腫瘍や真珠腫などを摘出したりします。
  • 人工内耳(埋め込み型装置)。特定の種類の中耳の損傷は、さまざまな人工内耳で補うことができます。関節のない中耳の骨には、耳小骨置換プロテーゼ(TORP)と呼ばれる人工軟骨があります。また、伝音損失を改善できる埋め込み型の骨固定型補聴器もあります。
  • 補聴器。外科手術を必要としない装具として、補聴器は伝音損失を補うために役に立ちます。

伝音難聴を防ぐためには?

伝音難聴には、一時的難聴と永続的難聴があります。

伝音難聴の原因の多くは、コントロール不可能で防ぐことができません。しかし難聴の原因にかかわらず、聴力へのダメージを軽減したり予防する方法があります。

  • 水泳中に耳栓を装着しましょう。外耳炎を頻繁に発症する人や、鼓膜が破れていたり鼓膜に穿孔がある人にとって、耳栓は、不衛生な水が耳に入り炎症を起こすのを防ぐのに役立ちます。
  • 症状の経過観察。耳鼻咽喉科医は、伝音難聴を引き起こす可能性がある病状を経過観察します。経過観察では、聴力の変化を監視するために定期的な聴力検査を行います。
  • 防音保護具で聴覚を保護する。コンサートや芝刈り機などの大音量や騒音は、難聴の原因になる可能性があります。これにより伝音難聴が悪化する可能性は低いですが、感音難聴が悪化する可能性があります。補聴器にはさまざまな種類があります。聴覚ケアの専門家は補聴器について詳しく説明し、カウンセリングを通してあなたのライフスタイルに合った補聴器をご提案します。
  • 音量を下げましょう。ラジオ、ストリーミング、その他のオーディオ機器で音楽やさまざまなサウンドを聴く場合は、音量を安全なレベルに設定することが大切です。一部のオーディオ機器では、音量の上限を設定することができます。周りが騒がしいために音量を上げざるを得ない場合は、ノイズ抑制機能付きヘッドホンを使用することをお勧めします。
Man sitting on a couch checking his hearing with the online hearing test

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